うつ病克服体験記
うつ病は本当につらい病気です。
うつ病にかかってみないとその苦しみは理解できないと思います。
たとえ、親や配偶者でも患者のことを本当に理解することは困難と思われます。
私自身、30年近く、うつ病に苦しんできました。
休職も経験し、鉄格子の病棟に入院していたこともあります。
最初に身体に異変を感じたのは、
昭和56年(1981年)頃でした。
とにかく、身体がダルくて、頭がボーっとして、
人込に出ると頭が痛くて仕方ない
という状態でした。
こういう状態が、長く続いていましたので、
身体のどこかが悪いものと思い、
内科・耳鼻咽喉科・脳外科等の病院に行き、診察・検査を受けました。
しかし、どこでも『問題ない』と言われてきました。
それでも、身体がおかしい状態が続いており、
この頃から『心の病気』というのが、一部マスコミでも報道され始めていましたので、
自分も’もしかすると’と考えて、メンタルヘルスの病院に行ってみました。
医師の診察の結果、『これは間違いなく’うつ病’です』と言われ、
その場で点滴を受け、薬をもらって帰りました。
その時に、医師から、
『これは、心が疲れているのでしばらく治療することが必要。
会社に話して、仕事量を減らしてもらった方が良い。』
とのアドバイスを受けました。
早速、会社の上司に、
『’うつ病’と診断され、仕事量を減らしてもらうようにと言われた。』
と申しますと、
当時は、今ほど、メンタルの病気に理解がなかった時代で、
上司曰く、『そんなことを自分に言われても困る。聞かなかったことにしておく。』
と冷たい回答がありました。
当時は、大型コンピューターのSE(システムエンジニア)の仕事で、
自分としては、とてもつらい状態が続いていましたが、
仕事量の方はどうすることもできなくて、
通院・投薬を続けて、何とか会社を休まずに勤めていました。
その間も、身体のダルさは続き、頭は痛く、スッキリしない状態でしたが、
何とか通勤していました。
そういう状態が、5・6年続いた後、
平成元年(1989年)になって、症状に変調が現れました。
私は、千葉県から都内に通勤しており、ラッシュが嫌いなので、
毎日、ラッシュを避けて、会社の始業1時間半前位には出社していました。
出社してから、その日の仕事の準備をしていたのですが、
この頃、朝早く会社に着くとすぐに、どうしても会社に居るのがイアな気持ちになってしまい、
会社の始業を待たずに、そのまま帰宅してしまうということが続きました。
また、
会社に居ることが不安で、仕事中に電話が鳴っても、怖くて電話を取ることもできなくなってしまいました。
こういう状態ですと、普通に仕事をこなすことができませんので、
医師と相談した結果、入院して治療に専念することになりました。
平成元年(1989年)の夏に入院しました。
当時、私には、妻と中学1年生の長男と、小学生の次男がいて、
これからの生活はどうなってしまうのかという不安と
これで、毎日会社にいかなくてはならないという束縛から開放されるという安心感を持ったことを覚えています。
入院したところは、今では設備もずっと良くなっているとは思いますが、
窓には鉄格子のある閉鎖病棟で、出入りには、看護師さんのチェックを受けるというものでした。
普通ですと、そういう環境には、抵抗感あると思いますが、当時の私にとっては、
そこが、心を落ち着かせる場所でもありました。
’うつ病’の入院というのは、普通はさほど長期ではないようですが、
私の場合は、かなり長期に渡り、
その年の暮れに、少し回復してきましたので、
病院から会社の通勤するという夜間ホスピタルという仕組みで、
社会復帰を目指すことになりました。
会社に最初に、’うつ病’と話した頃には、とても冷たい対応を受けましたが、
この頃になると、会社の方でもメンタルヘルスに多少の理解でてきたのか、
慣らし運転の為、病院から会社に出勤することを認めてくれました。
最初は、週に数回、会社に行って、徐々に慣らしてていく予定でしたが、
私の場合、数回会社に行ったら、会社に居るのが苦痛になり、
この慣らし運転は、数回で失敗に終わってしまい、
また、病棟に戻ってしまいました。
結局、退院したのは、翌年(平成2年:1990年)の5月で、
退院前に、やはり何度か病院から会社に行って何とか
勤める目処も立ち、退院して、自宅から通勤を再開しました。
私がうつ病で治療を受けている時の、一番印象に残っている担当の医師の言葉は、
『うつ病の人に頑張れというのは、たとえば足を骨折している人に早く走れと言っているのと同じです。
心が風邪をひいたものと考えてゆっくりと休んで下さい』
ということです。
今となっては、本当にその通りであると思っています。
退院後、自宅からの通院も再開したのですが、
退院してすぐ、医師から、
『’うつ病’の再発防止の為に’内観療法’というのがあるが、受けて見てはどうか』
と薦められ、
私も、同じ思いをしたくないので、会社に無理を言って、’内観療法’を受けることに致しました。
’内観療法’というのは、
1週間続けて、過去の自分を考えるというものです。
畳を屏風で仕切って、畳半畳分が自分のスペースとなります。
お風呂以外の時間は全て、畳半畳で過ごします。
考えることは、自分を生み育ててくれた両親のこと、
世話になった家族のことなどです。
自分がいままで生きてくる為に、両親や家族にどんなにお世話になったかを
一日中考えて感謝することです。
数時間に一度、アドバイザーの方が回ってきて、
その間に考えたこと、感謝したことを報告します。
こういうことを行った、1週間を過ごしました。
その結果、治療の後半には、
沢山の人に世話になった結果が今の自分であるということを、
強く再認識して、自分の気持ちがとても強くなったと感じるようになってきました。
私自身、自分でいうのも変ですが、
真面目すぎるほど、真面目で、自分の意見を通すこともなく、
人と争うこともない、温和な性格(どちらかと言うと優柔不断?、典型的なA型人間)だと思っていましたが、
この’内観療法’を受けた後は、言うべきことは言ってみるべきで、
言った後に、理解されなくてもそれは仕方ないではないか
というように性格の変化が現れたと思っています。
’内観療法’を受けた後、こういう考え方になってからは、
それ以前よりも少し積極的に生きて行くべきとの考え方になってきました。
そういう訳で、平成2年以降、普通の生活を送っています。
今現在でも、子供の頃の爽快な気分になるということはありませんが、
それは、年齢のためであると思っています。
現在でも一応通院し、投薬を受けてはいますが、
薬がオマジナイの様になっている為で、
日常生活で’うつ病’を意識することは全くありません。
多分、薬を飲み忘れても、飲み忘れに気付くまでは、何でもないと思います。
私自身、’うつ病’と診断されて以降、
自分でも’うつ病’とはどういうものかを把握すべく、
沢山の図書を読みました。
私自身の経験から、うつ病は、お医者さんと薬だけでは良くならないこともある
のではないかと考えております。
勿論、お医者さんと薬で完治する方もいるとは思いますが、
特に、私のような、長期に渡るダラダラとした’うつ病’には、
お医者さんと薬以外のプラスαが必要ではないかと考えております。
うつ病は、必ず治る病気です。
そして、
うつ病は、
’心の風邪’ですので、誰もがかかる可能性あり、恥ずかしいものでも隠すべきものでもありません。
いつかきっと治ることを信じて、治療なさって下さい。
ここにご紹介しているものは、うつ病について懇切丁寧に説明され、本当に患者の立場にたったものと思いました、
私が’うつ病’にかかった当時紹介されていれば、とても役立ったものと思います。
現在うつ病で苦しんでいる方々にとって、解決の一助となれば幸いに存じます。
また、
うつ病で苦しんでいる方のご家族の方々にとっても、病気の理解、
対応方法のご参考になればと考えております。
うつ病を完全に解消する会
うつ病とは:(Wikipedia)
内観療法とは:(Wikipedia)
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